3戦目は、サモア戦だった。格下だが必死に食らいつくサモアに苦戦しながら、その挑戦を日本はみごとはねのけた。そして、いよいよ運命の、ベスト8進出が決まるスコットランド戦、前回W杯で唯一負けた宿敵。前半は先制トライを奪われたが、その後逆転、14点リードで折り返し、後半も先にトライを獲得できた。ただ、その後は防戦一方、本当にラスト20分の長かったことか。1トライ差まで詰め寄られ、敵も必死に攻めてきた。試合展開から、いつ逆転されてもおかしくない状況だった。それが、逆転されなかったのは、『勝ちたいという気持ちと勝てるという自信』があったからだけでなく、日本国民挙げての『応援の力』と、日本代表が、自分のためではなく、『人のため、日本のために戦う。』という気持ちを持っていたからに他ならない。この試合は台風19号により日本に甚大な被害があった直後だった。日本代表全員が「この試合は今までの試合とは状況が全く違う。自分達ができる最大のメッセージは、勝って、日本の皆さんに元気を与えること。」と言っていた。この『人のため、みんなのためにという思い』が何より大きな力になることを代表は私達に証明してくれた。